レイとブーはオーストラリアで出会いました。レイが日本へ帰るまでの間と決め、期限付きで付き合う二人。刻々と日本へ帰る日が迫ってきます。お互いが自分にはかけがえのない存在になっています。お互いの感情に期限などの意味があるはずがありません。
ブーは最後にレイを友達が書いた『絵画-エスキース』という形で思い出を、レイを残そうとします。
レイがモデルになっているときにお互いの感情がついにあふれ出します。『始まれば終わる。こわがりな私たちがお互いについていた嘘と自分への嘘は同じ』レイが急に立ち上がり、椅子が倒れる激しい音。お互いへの思いの強さが強く引き寄せあう瞬間です。
最後の章ですべてはつながります。1枚の『絵画-エスキース』からそれぞれの運命が動き出していました。4章のブーのセリフがすべてを包み込みました。人生を共に歩んできた二人。別々の道を歩もうとしたレイ。ブーのもとでレイが語ります。『私は自信もなく見栄っ張りで、若くもなく、それなのにいつまでも未熟で』ブーが微笑みながら『奇遇だね。僕もまったくいっしょだ』
胸が熱くなりました。かっこいいです。